VOLRETHICS – First « Meet the Authors »
Webinar : The over-volunteering phenomenon in Japan and in the world 参加報告
(2026年6月18日、20時~21時)
臨床試験受託事業協会
理事 深瀬 広幸
VOLRETHICS(フランスの規制当局関係者が中心となり組織している、健常人対象臨床試験の安全性を確保することを目的とした団体)主催のWebinarにて、今年3月に英文学術誌に発表した日本における重複参加の実態を紹介した論文(https://doi.org/10.18103/mra.v14i2.7231)をもとに理事の深瀬が講演を実施致しました。
講演要旨:臨試協で20年間にわたり収集されたデータを提示しました。これは、「重複(過剰な)ボランティア参加(over-volunteering)」という現象について、現時点で公表されているものの中で最も強力な証拠となるものです。このデータは、日本国内の約20の第I相試験実施施設において、治験参加のためにスクリーニングを受けた86万人以上の健康なボランティアを対象としたものです。この20年間、重複参加の割合は2〜3%程度で安定していました。
討論者を務めたウィスコンシン大学マディソン校のアバディ先生は、「プロフェッショナル」の健常人ボランティアによる過度な治験参加を防ぐ実効性ある対策とするためには、国内のすべての実施施設においてレジストリの利用を義務付ける必要があると指摘しました。また、ある研究者からは、日本のボランティアが国境を越えて海外(韓国やフィリピンなど)の治験に参加している事例がオンラインフォーラム等で確認されているとの報告があり、レジストリは理想的には国境を越えて運用される必要があるとの意見も出されました。
参加者は約60名、欧米、東南アジア、アフリカ諸国の規制当局関係者が中心で、アカデミア、製薬会社の方もいらっしゃいました。日本からは深瀬のほかに北里大学名誉教授・臨試協会長の熊谷雄治先生が参加されました。講演後、参加者からの質問に答える形で、熊谷会長より、臨試協の被験者照合システム開発の経緯、4か月間のウオッシュアウト期間の設定根拠についてご説明頂きました。
現在、健常人対象臨床試験の重複参加を防止するための国家登録システムを保有している国はフランス、イギリス、マレーシアの3か国だけです。日本には臨試協が運営する被験者照合システムが存在しますが、この3か国のように国家が運営し、被験者登録が義務付けられているものではありません。今回のWebinarでは、各国が国家登録システムを保有する必要性及び最終的には国家の枠を超えてそれらのシステム間のデータ交換を可能とすることにより国を超えて移動する“プロフェッショナル被験者”の重複参加を防止する体制を整えることで意見が一致しました。
今後もこのような機会を通して、臨床試験に参加する被験者の安全確保に役立つ情報収集、情報発信に努めて参ります。
以上
本件に関するお問い合わせ先
臨床試験受託事業協会事務局 黒田 章裕
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